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新参者 [本]

たまには本を、ということで読んでみました。
読んだのは「新参者」東野圭吾の現代ミステリーです。
先日のどうぶつしょうぎ、そして本日の推理小説と、頭を柔軟にして、競馬にも生かそうっていう作戦です。

新参者01.jpg

そもそも僕は、現代ミステリーには興味がありませんでした。
読むのは、ポアロやホームズといった、古典ミステリーでした。
現代ミステリーに目覚めたのは7年ほど前です。
ミステリーのブックランキングには「このミステリーがすごい」(宝島社)と「週刊文春ミステリーベスト10」というのがあります。
このランキングに初めて両方1位に輝いたのが2002年横山秀夫の「半落ち」でした。
僕は、その話題性に魅かれて、「半落ち」を読んだのですが、これがおもしろいおもしろい。
なるほど、多くの読者に支持される作品というのは、おもしろいものなんだなと認識しました。
その後、ランキング上位作品を読むようになりました。
そして、次に二冠に輝いたのは2005年東野圭吾の「容疑者Xの献身」です。
これは、福山雅治主演で映画化されて知っている人も多いでしょうが、東野圭吾のガリレオシリーズの傑作です。
そして2009年に二冠に輝いたのが、今回読んだ東野圭吾の「新参者」なのです。

感想としては、おもしろい、そして良くできた話です。
小さな部品を一つずつ手作業で組み上げてできた骨董時計のようです。
推理小説などという、ひとつのカテゴリーにおさまらない内容です。
逆に言えば、推理小説としてどうかとは思います。
どうかというのは、作家は最後まで犯人をわからせまいとして、読者は途中で犯人を見つけようとする、いわゆる作家対読者という推理対決を楽しみたい人には不向きです。
そういう趣旨の人は「容疑者Xの献身」をお勧めします。

この「新参者」は最後にならないと犯人はわかりません。
各章ごとに、聞き込みされる人の目線で描かれ、殺人事件の内容が少しずつ明らかになっていきます。
普通、推理小説というと、不可解な事柄が、関係なさそうだったのに最後にひとつに繋がり、謎が解けるというのが定番です。
しかしこの「新参者」は、殺人事件発生時には不可解な事柄が、各章ごとに各々の人に聞き込みをすることによって「事件とは関係ないことが判明していく」という、定番の推理小説とは逆パターンをたどります。
そしてその「関係ないことが判明していく」きっかけは、その聞き込みされる人(または家族)の人情話がからんで、読んでいる者を実にすがすがしい気持ちにさせてくれます。

読後の清涼感は折り紙つきです。
僕は、この小説に出てくる刑事、加賀恭一郎の別のシリーズを読んでみようかなあと思いました。
くれぐれも読書中は犯人探しはしないように、この小説においては、それは野暮です。


新参者

新参者

  • 作者: 東野 圭吾
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2009/09/18
  • メディア: 単行本





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ジンボ

NICEありがとうございました。これからもちょいちょいうかがいたいと思います!
by ジンボ (2010-01-24 21:56) 

yan

どういたしまして。
ジンボさんの気に入る内容はありますかね。
よろしく、お願いします。
by yan (2010-01-24 22:33) 

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