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映画「ちはやふる 下の句」 [テレビ・映画]

ゴールデンウィークは何をしようかな。
ゴールデンウィーク(GW)とは、映画業界が宣伝のために使い始めた用語らしい。
NHKでは、GWは用いず、春の大型連休と言っているとか。

映画業界が、言い始めたGW。
じゃあ、やっぱり映画だよねということで、観てまいりました。
映画「ちはやふる 下の句」
観に行ったのは、4月30日(土)。
公開2日目という気合の入れようです。(笑)
「上の句」は公開3日目に観に行きました。

ボクは、原作のファンなんです。
そして「上の句」が、ボクとしては100点満点のできだったので、「下の句」も今や遅しと観てきました。
【関連記事:映画「ちはやふる 上の句」2016.04.05】

感想を書きます。
ネタバレを含みます。
続きを読まれる方は、ご注意ください。


「下の句」を点数で表すと60点です。
残念な感じ。
ボク的には、違和感ありありでした。

原作ファンがよく陥る、「原作とここが違う」といちいちあげつらう批判は的外れだと常々思っています。
原作は原作、映画は映画。
わかっているつもりですが、「上の句」がうまくアレンジしていただけに「下の句」のアレンジはちょっと期待ハズレでした。

何が、ボクを辛口にするのかは、大きくわけて次の2点です。

1.負けるにも「魅せ方」があるだろう。

主人公千早は、高校選手権の「団体戦」も「個人戦」も負けます。
これは、原作どおりです。
ボクは、「下の句」で物語を完結させるために、勝つストーリーに替えてくるのではと心配していましたが、その点は映画を評価します。
しかし、負けるにしても映画の中で「魅せ方」があるだろうと思うのです。

まず「団体戦」ですが、千早が体調不良のため途中退場し、千早の所属する瑞沢高校は敗退します。
映画の中では、負けたシーンは描かれていませんが、これは、原作でもはっきりとは描かれていませんので、やむなしでしょう。
問題は、個人戦です。
映画の終盤で、最強の現カルタクィーン若宮詩暢(わかみやしのぶ)と対戦します。
原作では一矢報いるも、千早は負けます。
映画版でも負けますが、この「一矢報いるも」の部分の描かれ方が弱く、なんだか善戦するも、結局負けたのねという感じです。

原作では、若宮詩暢の得意札「しのぶれど」を取るシーンで、「クィーンの得意札を、あの子」という説明調のセリフが入るんですよね。

映画でも、同じように、千早が「しのぶれど」の札を取るシーンはあるんですけど、説明がないので、気付かない人も多いのではないかな。
説明があるとないとでは、クィーンから同じ取るにしても、盛り上がり度が違う。
映画の中盤で、若宮詩暢が綿谷新とカルタをとるシーンで新が「詩暢ちゃんは、しのぶれどが得意」的なニュアンスの発言をするけども、印象付けが弱すぎるので、映画の終盤の千早VS詩暢戦まで覚えていて気付くかどうかですね。

原作では、普段対戦相手に興味の湧かない詩暢ですが、千早との初めての対戦後、「綾瀬千早」を対戦カードで名前を確認し、しっかり覚えるシーンがあります。
しかし、映画ではこのシーンがありませんので、詩暢が千早をライバルとして認めたかどうか定かではありません。
映画では、対戦後に詩暢が綿谷新と会話するシーンで千早のことを「あの子」呼ばわりしていましたので、名前は覚えてない可能性があります。
もちろん行間を読んで、強がって「あの子」呼ばわりしたという解釈もあります。



今日は、長文だなあ~。
それも、原作と映画の違いをあげつらう、嫌な文章だ。(笑)
もう少しお付き合いを、ボクが辛口な理由、第2点。



2.何のためにカルタをやるか、を映画の重要なテーマにする違和感。

今回の「下の句」では、みんなそれぞれ、何のためにカルタをするかが、テーマになっています。
映画の中の綿谷新は、カルタの名人であった祖父が亡くなり、それまで「祖父のために」カルタをやってきた新は、カルタをする理由が無くなり、カルタをやめてしまいます。
えっ、そんな設定、原作にありましたっけ。
原作では、みんな、キッカケはどうであれ、今ではカルタが好きだからやっているというイメージで、唯一、太一だけは「千早に振り向いてほしいために」やっていて、悩んでいるという話しだと思います。

そもそも、新がカルタをやらなくなった理由は、原作では自分が祖父の看病をする日に、祖父を一人置いて、カルタの大会に参加し、その間に祖父が亡くなってしまい、自責の念から、カルタをやめたという設定でした。
「祖父のためにカルタをやっていたから」ではなく、「祖父の看病よりもカルタの大会を優先した自責の念から」カルタをやめた。
なんか、重さが全然違う気がします。

原作の新に、何のためにカルタをやっているか質問したら、きっと「名人になるためさ」と言うでしょう。

原作第1話の小学生のころに、こんなエピソードがあります。

千早が「お姉ちゃんが いつか(美少女)日本一になるのが あたしの夢なんだー」と言います。
それに新は「ほんなのは夢とは言わんよ」と否定し、「自分のことでないと夢にしたらあかん」「のっかったらダメや。」と続けます。
千早は、新に「綿谷くんは じゃあなにか夢あんの」と質問すると、「かるたで名人になるのが おれの夢や」と言うんです。
そんな新が、「祖父のため」にカルタをやっていたから、祖父が亡くなったからカルタをやめるなんて言い出すなんて、映画の中の新には違和感。
映画の中の新に言ってやりたいです。
「自分のことでないと夢にしたらあかん」

いろいろケチを付けましたが、いい点もありました。

「上の句」では、ヒョロ君が似ていたと書きました。
「下の句」では、若宮詩暢を演じた松岡茉優が良かったです。
似ているというか、それ以上の演技でした。
原作を超えたといってもいいです。
綺麗な女優さんになりました。
クィーンスマイルもぞくっとしました。

映画ちはやふるは、続編も決定したそうです。
「上の句」「下の句」と来て、次のサブタイトルはなんでしょう。
個人的には「運命戦」なんてのもいいかもよ。
いろいろ書きましたが、作品に思い入れがあるからこそです。
俳優さんたちが、またそれぞれ成長した姿をみたいです。
次回作、期待です。

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