麒麟の翼 加賀恭一郎シリーズ [本]
東野圭吾の加賀恭一郎シリーズの第9作。
本の帯には、東野圭吾のコメントが載っています。
『帯には、「加賀シリーズ最高傑作」と謳っていることだろうと思います。
その看板に偽りなし、と作者からも一言添えておきます。- 東野圭吾』
マジですか。
そりゃ期待しちゃいますね。
というわけで、早速読んでみました。
まず、形式ですが、
加賀シリーズ第7作「赤い指」は、犯人側視点で描かれていました。
加賀シリーズ第8作「新参者」は、聞き込みされる側の視点でした。
今回の「麒麟の翼」は、オーソドックスに刑事側の視点で描かれています。
捜査をするのは、加賀&松宮コンビです。
おおよそ、松宮の視点で描かれています。
シャーロックホームズで言えば、ワトソンの役回り。
物語として、たいへん読みやすいです。
ただ、「加賀シリーズ最高傑作」かと聞かれると疑問符。
別に、本作がつまらないわけではありません。
おもしろいです。
が、「最高」とまでは、どうかな。
やはり、「新参者」やドラマ版があっての、「麒麟の翼」という感じですね。
続いて感想です。
「東野圭吾って、家族の絆の話が好きだなあ。」
読後、まずこう思いました。
ミステリー小説ですが、根底に流れるのは、「家族の絆」です。
では、ミステリーとしてはどうか。
ボクは、「新参者」を読んだときに、ブログに次のように書きました。
『逆に言えば、推理小説としてどうかとは思います。
どうかというのは、作家は最後まで犯人をわからせまいとして、読者は途中で犯人を見つけようとする、いわゆる作家対読者という推理対決を楽しみたい人には不向きです。』
今回の「麒麟の翼」も、この感想が当てはまります。
犯人に行きつく、手がかりなどは、最後の方で触れられ、急展開であれよあれよというまに、犯人逮捕です。
そんなこと、読者が知りようがないじゃないかというような過去の事件が決め手となります。
ですので、本作は、加賀刑事物語として読んだ方がいいです。
また、ボクは、「赤い指」を読んだときに、ブログに次のように書きました。
『本作品では、ドラマ版「新参者」同様に、このコンビが聞き込みに廻っていますので、ドラマを観ていた人は、「阿部寛&溝端淳平」を想像しながら読めて楽しめます。』
「麒麟の翼」でも「加賀&松宮」の掛け合いが大変おもしろいです。
むしろ、作者もドラマ版の影響を受けたんじゃないかと思うくらい、「阿部寛&溝端淳平」の姿が目に浮かびます。
もう少したてば、映像化されるんじゃないかな。
とにもかくにも、加賀シリーズを読んだことある人は、必見です。
今日の結論:「新参者」をドラマで観て、「加賀&松宮」にハマった人はお薦めです。
これまで紹介した加賀恭一郎シリーズ(タイトルをクリックしてください)
新参者
卒業
嘘をもうひとつだけ
赤い指
本の帯には、東野圭吾のコメントが載っています。
『帯には、「加賀シリーズ最高傑作」と謳っていることだろうと思います。
その看板に偽りなし、と作者からも一言添えておきます。- 東野圭吾』
マジですか。
そりゃ期待しちゃいますね。
というわけで、早速読んでみました。
まず、形式ですが、
加賀シリーズ第7作「赤い指」は、犯人側視点で描かれていました。
加賀シリーズ第8作「新参者」は、聞き込みされる側の視点でした。
今回の「麒麟の翼」は、オーソドックスに刑事側の視点で描かれています。
捜査をするのは、加賀&松宮コンビです。
おおよそ、松宮の視点で描かれています。
シャーロックホームズで言えば、ワトソンの役回り。
物語として、たいへん読みやすいです。
ただ、「加賀シリーズ最高傑作」かと聞かれると疑問符。
別に、本作がつまらないわけではありません。
おもしろいです。
が、「最高」とまでは、どうかな。
やはり、「新参者」やドラマ版があっての、「麒麟の翼」という感じですね。
続いて感想です。
「東野圭吾って、家族の絆の話が好きだなあ。」
読後、まずこう思いました。
ミステリー小説ですが、根底に流れるのは、「家族の絆」です。
では、ミステリーとしてはどうか。
ボクは、「新参者」を読んだときに、ブログに次のように書きました。
『逆に言えば、推理小説としてどうかとは思います。
どうかというのは、作家は最後まで犯人をわからせまいとして、読者は途中で犯人を見つけようとする、いわゆる作家対読者という推理対決を楽しみたい人には不向きです。』
今回の「麒麟の翼」も、この感想が当てはまります。
犯人に行きつく、手がかりなどは、最後の方で触れられ、急展開であれよあれよというまに、犯人逮捕です。
そんなこと、読者が知りようがないじゃないかというような過去の事件が決め手となります。
ですので、本作は、加賀刑事物語として読んだ方がいいです。
また、ボクは、「赤い指」を読んだときに、ブログに次のように書きました。
『本作品では、ドラマ版「新参者」同様に、このコンビが聞き込みに廻っていますので、ドラマを観ていた人は、「阿部寛&溝端淳平」を想像しながら読めて楽しめます。』
「麒麟の翼」でも「加賀&松宮」の掛け合いが大変おもしろいです。
むしろ、作者もドラマ版の影響を受けたんじゃないかと思うくらい、「阿部寛&溝端淳平」の姿が目に浮かびます。
もう少したてば、映像化されるんじゃないかな。
とにもかくにも、加賀シリーズを読んだことある人は、必見です。
今日の結論:「新参者」をドラマで観て、「加賀&松宮」にハマった人はお薦めです。
これまで紹介した加賀恭一郎シリーズ(タイトルをクリックしてください)
新参者
卒業
嘘をもうひとつだけ
赤い指
推理小説と思わなければ楽しめそうですね。
新参者は友人に借りて読みましたが、
確かに犯人探しを楽しむ作品ではなく
後ろの章は必要なのか?と思いましたもん(笑)。
by 瀬木あおい (2011-03-30 08:25)
瀬木あおいさん、ありがとうございます。
ミステリー要素は、味付けの一部と思ったほうがいいです。
「麒麟の翼」は内容が重いわりには、重い部分が深く書かれていないので、読んでいてあまり重くないですよ。
by yan (2011-03-30 23:10)
加賀シリーズは「どちらかが彼女を殺した」、「私が彼を殺した」、「悪意」の3作を読んでハマりました。
未読でしたらお試しください。
by じゅぴたー (2011-03-31 22:53)
ジュピターさん、ありがとうございます。
おすすめ本は、物の見事に未読です。
おいおい、読んでいきます。
by yan (2011-03-31 23:34)
東野さんの作品は、容疑者Xの献身 しか読んだことないですね~
容疑者Xの献身も、 家族の絆 的要素が含まれてますよ♪
視点が毎回違う形式のようで、面白そうですね...♪
by レイン (2011-03-31 23:53)
レインさん、ありがとうございます。
東野圭吾の作品では、「容疑者Xの献身」が一番好きです。
犯人側からの視点で、ドンドンせまってくるガリレオ教授が見物ですね。
by yan (2011-04-01 00:02)