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四畳半神話大系 【森見登美彦】 [本]

四畳半神話大系 【森見登美彦】
立ち読みして気になりました。
うら若き乙女が表紙だったからではありません。
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この作家の作品は初めて読みました。
独特の言い回しにハマりました。
例えば、第一話の最初のページを引用。

異性との健全な交際、学問への精進、肉体の鍛錬など、社会的有為の人材となるための布石をことごとくはずし、異性からの孤立、学問の放棄、肉体の衰弱化などの打たんでも良い布石を狙い澄まして打ちまくってきたのは、なにゆえであるか。

とこんな具合。
ちらと、立ち読みして、おもしろいと感じ即購入。

あらすじ。

現在大学三回生である主人公「私」が、一回生のときにもっと別な選択をすれば「薔薇色のキャンパスライフ」が送れただろうと後悔する話し。

一回生のときの選択は4肢。

第1話 映画サークル「みそぎ」に入る。
第2話 同じ下宿に住む樋口師匠の「弟子」になる。
第3話 ソフトボールサークル「ほんわか」に入る。
第4話 大学内の秘密機関「福猫飯店」に入る。

各々の大学生活が4話に分かれて描かれている。

これはタイムマシンものでありません。
第1の選択肢が失敗したから、第2の選択肢を選んで・・・というのではなくて、もし一回生のときに、こういう選択をしていたら、こうなりましたという4つの話しが描かれています。
4つの並行世界です。
どれを選んでも、結果的には似たような運命になり、「薔薇色のキャンパスライフ」を送れなかったと後悔するのですが、読み手からすれば、十分充実した(波乱万丈な)キャンパスライフを主人公は送っています。

この各4話、それぞれ別の人生を描いてありますが、各話間で微妙にリンクしています。
第1話を読んだ段階では、分かりにくかったことも、第4話まで読めばすっきりします。

読了後、第1話を読み返したくなりますね。

かなりネタバレを書きましたが、最後にもうひとつネタバレ。

結局、4話ともほぼ同じ結末になるので、人生あまりかわらないよ的な感が漂いますが、ただ1点、第4話だけ結末に違いがあります。(微妙な違いですがね)

第1~3話とも「悪友の小津」と「私」の会話で終わります。
しかも、全く同じ会話で終わります。
でも第4話だけは、会話の内容は同じですが、「小津」と「私」お互いのセリフが入れ替えてあります
ささやかな、変化です。

この話しの結論としては、人なんて、生まれ持った性格があるんだから、多少選択肢を変えたところで、人生はあまり変わらんよ。
でもちょっとは変わるかもね。
ということかな。
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四畳半神話大系 (角川文庫)

四畳半神話大系 (角川文庫)

  • 作者: 森見 登美彦
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2008/03/25
  • メディア: 文庫





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