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モルフェウスの領域 【海堂尊】 [本]

今回は、「モルフェウスの領域」海堂尊作品を読みました。
いつも海堂尊作品は、文庫本になるのを待って読んでいます。
しかし、今回は新刊ハードカバーを買いました。
モルフェウス01.JPG

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タグ: 海堂尊
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「イノセント・ゲリラの祝祭」 【海堂尊】 [本]

久しぶりに海堂作品を読みました。
半年ぐらい前に購入して「積読」状態でした。
田口・白鳥シリーズの第4弾
イノセント01.JPG
感想です。
田口先生が大活躍で、楽しく読めました。
海堂ワールドの住人は、みんなスーパースターばかりですので、ボクは、どうしても凡人の田口先生に肩入れしたくなっちゃうんですよね。
(もちろん、田口先生も凡人風なだけで、能力者ではあります)
で、今回は田口先生にも活躍の場が与えられ、田口先生ファンは必読です。

内容は、もはやミステリーではありません。
官僚小説とでも言えばいいんでしょうか。
社会派です。
海堂作品を続けて読んでいると、気付くことなのですが、作品を追うごとに、作者の主張が強くなってきています。
作者の主張のひとつは、死亡原因の解明に「エーアイ」を導入するということです。
しかし今までの作品を読んでいて、作品の流れに対して、そこまでの強い主張が必要かと思うことがありました。
今回の「イノセント・ゲリラの祝祭」も、その主張が、全面に出ています。
むしろ、その主張をするための小説だと言えるでしょう。
ここまで、書かれると、アッパレです。
作者の意見を聞こうじゃないの、という気になります。
作者の主張が、白鳥や田口、また新たな登場人物たちを通じて、作中で生き生きと語られます。

「イノセント・ゲリラの祝祭」(宝島社)はある程度、予備知識が必要な作品となっています。
まずは最初に、「チーム・バチスタの栄光」(宝島社)は読んでおきましょう。
そして、主な登場人物がリンクするという意味で、「螺鈿迷宮」(角川書店)は読んでおくのをお薦めします。
宝島社と角川書店という出版社が違う作品なのですが、関連があります。
リンクというか、時間軸としては続編と言ってもいいくらい。

医療ミステリーを期待する人には「イノセント・ゲリラの祝祭」は向いていませんが、医療の問題点を読みたい人にはいいと思います。
そして、田口先生の活躍を見たい人も、読んでください。
海堂ワールドが好きな人には、お薦めですよ。

今日の結論:田口先生ファンは読みましょう。

イノセント・ゲリラの祝祭 (上) (宝島社文庫 C か 1-7)

イノセント・ゲリラの祝祭 (上) (宝島社文庫 C か 1-7)

  • 作者: 海堂 尊
  • 出版社/メーカー: 宝島社
  • 発売日: 2010/01/08
  • メディア: 文庫



イノセント・ゲリラの祝祭 (下) (宝島社文庫 C か 1-8)

イノセント・ゲリラの祝祭 (下) (宝島社文庫 C か 1-8)

  • 作者: 海堂 尊
  • 出版社/メーカー: 宝島社
  • 発売日: 2010/01/08
  • メディア: 文庫





タグ:海堂尊
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文章力の基本 【阿部紘久】 [本]

9月30日に、名古屋駅前にある三省堂書店(テルミナ店)が閉店しました。
名古屋駅をよく利用する人なら、このテルミナ店を利用した人も多いんじゃないでしょうか。
名古屋駅から地下鉄に向かって降りて行って、左側の地下2階にある店です。

ボクは20年ほど前、大学生のときによく利用しました。
場所柄、待ち合わせや乗る電車までの時間つぶしなどで、重宝した憶えがあります。
書店としての思い出もさることながら、誰と待ち合わせしていたかなど当時の学生生活の思い出も、この店には残っています。

甘酸っぱい思い出や、ほろ苦い思い出、いろいろあります。
その書店が閉店と聞き、寂しさをおぼえました。
最後に、何か一冊買おう、そう思って買った本がこれです。

「文章力の基本」(日本実業出版社)
文章力01.JPG
いまさらです。
こんなに、ブログで下手な文章を書いておいて、いまごろから勉強です。
勉強を始めるのに、遅いなんてことはない。

この本を読んでいますと、耳が痛いことばかり書いてあります。

『文の幹は、常にシンプルなものでなければいけません。』(89頁引用)
『難しい言葉を知っているかどうかよりも、最も適切な言葉を最も適切に組み合わせるセンスが大事なのです。』(100頁引用)
『「感動」とか「感激」に類する言葉はいっさい使わずに、(中略)読んだ人が自発的に「素晴らしい」「感動的だ」と思ってくれることです。』(166頁引用)

今後は、この本で勉強したことを生かして、文章を書いていきたいです。
できることから、ひとつひとつです。
今回の文章に成長の跡が見られない、というツッコミがありそうですね。(笑)

文章力の基本

文章力の基本

  • 作者: 阿部 紘久
  • 出版社/メーカー: 日本実業出版社
  • 発売日: 2009/07/24
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)





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めぞん一刻 【高橋留美子】 [本]

ミニストップに行ったら、ビッグコミックスピリッツとのコラボをやってました。
コラボ商品がいくつかありました。
そして、気になったのはこれ。
めぞん01.JPG
ロッテの対象商品を2個買うと、クリアファイルがもらえるんです。
ボクが選んだクリアファイルは「めぞん一刻」です。
懐かしい~っ。

ボクにとっては、青春のバイブルです。
高校生、大学生のころ、よく読んでました。
当然ながら、全巻持ってます。
めぞん02.JPG

ストーリーは、「一刻館」というアパートの住人・五代裕作と、管理人である若い未亡人・音無響子を中心としたラブコメディです。
ドタバタ喜劇という言葉がありますが、ドタバタ恋愛劇という感じです。
今から思えば、主人公の五代裕作君は、今で言う「草食系男子」だよなあ。

脇を固めるキャラクターも、個性派ぞろいでした。
また、魅力的な女性キャラも、音無響子のほか数人登場しました。
ボクの好みは、おっとりタイプの「七尾こずえ」派。



タグ: 漫画
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正義のミカタ 【本多孝好】 [本]

正義とは何か。
ミカタ01.jpg
今回読んだのは「正義のミカタ」です。
おおよその内容は次のとおりです。
主人公の蓮見亮太は、高校時代までいじめられっ子であった。
大学に入学後、ひょんなことから「正義の味方研究部」に入部。
そこで、正義の味方となるべく(いわゆる人助け)、日々、活動を続ける。
友情あり、恋愛(片思い)ありの青春小説。

前半は、「正義の味方研究部」周辺の小さなエピソードの積み重ねで、さくさく物語は進みます。
テンポもいいし、また内容も小気味いい。
例えるなら、現在少年ジャンプ連載の「スケットダンス」に雰囲気が似ています。
ただし、部の崇高な精神とは裏腹に、問題の解決策が、やや腕力頼みなのは、やむを得ないでしょうか。
前半では、読者としてかなり物語に惹き込まれますが、後半になるにつれ、大きな問題に行き当たると、話の小気味よさは消え、難解となります。
「正義とは何か」を考えさせられる内容ですが、前半のテンポからすれば、後半も爽快な内容のほうがよかったかもしれません。
ボクは、前半に「正義の味方研究部」発足のエピソードが出てきますが、このエピソードを後半に、むしろ主人公たちが直面するエピソードとして描いたほうが、爽快だったように思います。

前半と後半で、かなり印象が違う小説です。
前半と後半どちらが好みかは、みなさんでお試しください。
他人それぞれ正義の意味は違う、そういう意味では、タイトルを味方ではなくミカタにしたのは「正義の見方」と作者は読んで欲しかったのかもしれません。

正義のミカタ (集英社文庫)

正義のミカタ (集英社文庫)

  • 作者: 本多 孝好
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2010/06/25
  • メディア: 文庫





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赤い指 加賀恭一郎シリーズ [本]

東野圭吾の加賀恭一郎シリーズの第7作。
赤い指01.JPG
暗いです、重いです、読後もすっきりしません。

「赤い指」は、倒叙式ミステリーです。
倒叙式とは、簡単に言いますと、刑事コロンボや古畑任三郎のような形式です。
初めに犯人側から描写がされ、読者は、犯人がわかった上で物語が進みます。
刑事がどのようにして犯人を追い詰めていくかが、物語の醍醐味です。
倒叙式の魅力は、犯人と刑事の丁々発止の駆け引きであり、犯人が社会的地位の高い人物や刑事より頭脳明晰と思われるほど、物語が盛り上がります。
ドラマなどでは、刑事より犯人の方が大物俳優ということが、よくあります。

以降ネタバレ含みます。

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くじけないで【柴田トヨ】 [本]

7月16日の朝日新聞の天声人語に「くじけないで」という詩集が紹介されていました。

作者の柴田トヨさんは、90歳を過ぎてから、新聞に詩の投稿を始めて、現在98歳ということだ。

へえ、人間いくつになっても、新しいことが始められるもんだとつくづく思いました。
くじけないで01.JPG
さっそく、読んでみようと、買ってみました。

新聞に紹介されていた「貯金」という詩は、『私ね 人から/やさしさを貰(もら)ったら/心に貯金をしておくの』から書きだしが始まる示唆に富んだ詩でしたので、割とそういう詩作(悪く言えば説教くさいもの)なのかと思ったら、違ってました。

多くの作品から、母の愛情が感じられます。

女性の偉大さ、何歳になっても母であり、女であるのだと感じさせる詩作です。

とは言え、母の愛情を示した作品ばかりではありません。

今回は、その中でも、茶目っ気のある作品をひとつ紹介します。(「くじけないで」飛鳥新社刊 P84~P85より)

「二時間あれば」

世間には
まだ解決されていない
たくさんの事件がある

コロンボ警部
古畑任三郎警部
二人が協力してくれたら
犯人をきっと
つかまえてくれる筈

二時間あれば

くじけないで

くじけないで

  • 作者: 柴田 トヨ
  • 出版社/メーカー: 飛鳥新社
  • 発売日: 2010/03/17
  • メディア: 単行本





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嘘をもうひとつだけ 加賀恭一郎シリーズ [本]

「嘘をもうひとつだけ」
加賀恭一郎シリーズの第6作です。
短編5作品が載っています。
嘘を01.jpg

短編集だけあって、展開が早く、非常に読みやすいです。
加賀恭一郎シリーズではありますが、犯人や被害者からの視点で、物語は進みます。
イメージとしては、古畑任三郎や刑事コロンボのような感じです。
ただ、倒叙式かと聞かれると、最初に犯行シーンや犯人が描かれていないので、ちょっと微妙です。

内容です。
犯人側から見れば、「なぜオレのところにばかり、しつこく聞きこみに来るんだよ。」ってな具合に、加賀さんがぐいぐいせまってきます。
「プランター」「未開封の煙草」「水鉄砲」など、ちょっとしたものがキッカケになって、物語が解けていきます。
難解なトリックやアリバイ崩しなどがあるわけではありませんが、知らぬ間に、引き込まれる作品です。
「新参者」で加賀恭一郎にハマった人は、違和感なく読めると思う
結論:「新参者」の次は、「嘘をもうひとつだけ」がお薦めです。

嘘をもうひとつだけ (講談社文庫)

嘘をもうひとつだけ (講談社文庫)

  • 作者: 東野 圭吾
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2003/02/14
  • メディア: 文庫





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女はなぜ突然怒り出すのか【姫野友美】 [本]

先日、のだめカンタービレ最終楽章後編を観たあと、女心って難しいなと痛感。
そう思っているときに、おもしろそうな本を見つけたので、読んでみました。
「女はなぜ突然怒り出すのか」刺激的なタイトルです。
女はなぜ01.jpg
ボクは、常々思う事があります。
例えば、女性と一緒に食事に行くときです。
ボクは、「今日のお昼はどこに食べに行こうか。」
女性「どこでもいいわよ。」
ボク「じゃあ、中華でも行こうか。」
女性「中華は食べる気分じゃないなあ。」
(心の中で、どこでもいいって言っただろ、ってツッコミいれてます。)

こんなことは、日常茶飯事ですね。
多少なりとも、本を読んで、女心を知ろう。
では、内容です。

女性の脳は「選ぶこと」が苦手だ。(183ページ引用)

いやはや、そんなことがわかってもねえ。
で、どう対処すればいいんだあ。
わかんないよ。

この本には、その他、ためになる情報がいっぱいです。
女性ってこういうものなのよということが書いてあります。
ほんのちょっとピックアップ。

女は男の計画をぶち壊すもの(51ページ引用)

女はプレゼントで育つ(181ページ引用)

ボクは、さらに、女心がわからなくなってしまいました。(笑)
本読んで、即、攻略できりゃ世話ないんですがね~。
よく、ビジネスマンや経営者が、戦国武将やプロ野球監督などの本を読んで参考にしているらしいけど、どうなんだろうか。

女はなぜ突然怒り出すのか? (角川oneテーマ21)

女はなぜ突然怒り出すのか? (角川oneテーマ21)

  • 作者: 姫野 友美
  • 出版社/メーカー: 角川グループパブリッシング
  • 発売日: 2006/03/10
  • メディア: 新書





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ブラックペアン1988【海堂尊】 [本]

ブラックペアン1988を読みました。
イメージとしては漫画の「ブラックジャックによろしく」に近いです。
「チーム・バチスタの栄光」から18年遡った、1988年が舞台です。
若かりし高階病院長も、まだ講師で登場します。
でも、高階講師は主人公ではありません。
主人公は研修医の世良雅志ですが、主人公というよりは、彼の目を通じて物語が進行していくという感じでしょうか。
ブラック01.JPG
主題は、「手術のあり方」について。
「手術のあり方」っていうと難しそうだけど、話のテンポもよく一気に読めます。
ただし、最後まで読めばわかりますが、この主題はあくまで「主なテーマ」であって、最後の決着は主題に対しての解ではなく、別の事象に対しての解が用意されています。

感想です。
キャラ設定に少々の不満はありましたが、内容については満足しました。
研修医の目を通して、描かれる医療の日常。
医師の中での主義主張の違い、派閥争い。
そして、過去の因縁。
それらをたくさん盛り込んで、息をつかせず最後まで、読み切れます。
文庫本は、上下巻に別れていますが、一気に読めます。

ちなみにキャラ設定の不満については、登場人物のキャラ設定がはっきりしないということが気になりました。
高階講師の登場シーンは、白鳥圭輔を彷彿させるヤンチャなキャラでしたが、後半になるとさらにヤンチャな渡海医師が登場します。
そうなると、高階講師がおとなしく良識派に見えてしまうんです。
まあ、個性派集団と言ってしまえば、それまでなんですけどね。
医師というのは、個性が強くないと勤まらないのか~、なんて思っちゃいました。

彼らがどんな成長をしていくのか、続きを読みたくなる、一品です。

ブラックペアン1988

ブラックペアン1988

  • 作者: 海堂 尊
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2007/09/21
  • メディア: 単行本





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